おうちこもり子のドラマ・映画評

主にイケメンの出るドラマや映画についてレビューしてます。

NHKスペシャル「詐欺の子」あらすじ(ネタバレあり)

※結末まで書いていますのでご注意ください。

※感想は別で書いています。

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ー5年前ー

17歳の嘉川大輔(中村蒼)は、貧困家庭に育ち、高校にも行かず日雇いのバイトに明け暮れる生活を送っていた。ある日、先輩の紹介で、オレオレ詐欺のグループに引き入れられる。グループのオーナーから、「詐欺は老人の死に金を社会に還元する行為だ。金を取り戻せ」と教えられ、「かけ子(詐欺電話をかける役)」として詐欺組織の中で頭角を現していく。

一方、小学生からの大輔の親友、遠山元宏(長村航希)は、大輔とともに詐欺グループに入るものの、かけ子として結果を出すことが出来ず、グループをクビになる。その後、一人でオレオレ詐欺を続けていたところ、大輔から「受け子(お金を受け取りに行く役)」の送迎・見張り役を任される。

 

ー5年後、2019年、東海地方ー

72歳の小山田光代(桃井かおり)のもとに、一本の電話がかかってくる。娘をかたって金を要求する電話に、詐欺だと気付いた光代は、「騙されたフリをして捜査に協力してくれ」という警察の依頼を受け、金を持って指示された場所に向かう。そこに現れたのは、まだ中学2年生の受け子・三浦和人(渡邉蒼)だった。

和人の取り調べが進み、和人の送迎をしていた遠山も逮捕される。

遠山の公判が始まると、証人として光代が出廷。そこで光代は、検察から「以前も詐欺に遭っていますよね?」と質問される。

確かに5年前、光代はオレオレ詐欺の電話に騙され、200万円を詐欺グループに渡していた。そして、光代に詐欺の電話をかけたのは、今は詐欺のグループリーダー=「箱長」を務めている、大輔だった。

大輔は、様子を窺うために遠山の裁判の傍聴に訪れていた。そこで、光代の夫が詐欺被害の後に自殺したことや、詐欺に遭ったことで娘や近所からもバカ扱いをされ、小山田夫妻が苦しんでいた事実を知ることになる。

遠山は、大輔が裁判に来てくれたのは自分を心配したためだと思っていたが、詐欺組織の脅迫役(逮捕されたメンバーに対し、余計なことを喋らないよう脅迫する役)を務める弁護士が大輔と一緒にいるところを目にし、大輔まで自分を脅しに来たのだと知り、激昂する。そして、自分の国選弁護人(イッセー尾形)に全てを話し始める。

 

一方、大輔の母・春美(坂井真紀)は、偶然ニュースで遠山の逮捕を知る。大輔が遠山と親しかったことを思い出した春美は、毎月不自然なほど高額な仕送りをしてくる大輔もまた、詐欺に手を染めているのではと感じ始めていた。

そして、大輔が家に来た日、「遠山くん逮捕されたんだってね。詐欺だって」「あんたもやってるの?」と問い詰める。大輔は明確には答えないものの、否定もしない。春美は全てを悟り、「あんたは誰の子になったの」「うちの子に戻りなさい。お金を返してきなさい」と泣き崩れる。

 

遠山の第三回公判。和人が証人として出廷する。パーテーションで仕切られた先で遠山が聞いている中、和人は、最初は遠山たちと一緒にご飯を食べたり遊んだりするのが楽しかったことや、逃げようとした受け子に暴行する遠山を見て徐々に怖くなっていったこと、辞めたいと遠山に言ったこともあったが聞き入れてもらえなかったことを語る。そして、遠山から逃れるため、刑事が張っていると知りながら、小山田との待ち合わせ場所に向かい、わざと警察に捕まった、と語った。それを聞いた遠山は涙を流しながら、思わず立ち上がり、「和人、ごめんね」とパーテーションの向こうの和人に声をかけるのだった。

 

大輔は、金を持って小山田光代の家を訪れる。「どなたですか」と尋ねる光代に、「以前、息子さんのフリをして、お金をだまし取った者なのですが‥‥」「申し訳ありませんでした」と謝罪する。しかし光代は、「でもあれは大輔でしたよ」と、あくまであの電話は行方不明の息子からのものだったと信じて疑わない。「帰ってください」と追い返された大輔は、お金を玄関口に置いて立ち去る。大輔が帰った後、置かれた札束を見た光代は、「このお金は何!?」と、憔悴しきった様子で泣き崩れる。光代にとって、「音信不通の息子にお金を払い、息子を助けた」と信じることだけが唯一の心の支えだったのだった。

光代の家を後にした大輔は、その足で警察に出頭する。

 

大輔の裁判。検察は、「あなたは何も努力をしてこなかった。あなたのような境遇の人でも、まともに働いている人はいくらでもいる」と大輔を責める。大輔は、「お前なんかにはわかんねぇよ。まともに働ければ報われるとか、そういう風に考えられない奴らなんかいくらでもいんだよ。だからオレオレがなくならねぇんだよ」と答える。傍聴席では母・春美が涙を流していた。

 

ラスト、少年院で体操や行進をする和人が映される。閉ざされる少年院の扉が映され、終。